「頭をまるめ、灰色の着物を長身にまとった美しい方だった ・ ・ ・ 」
この徳林院の建立は、およそ200年前になる。
その当時、箕面の勝尾寺に「徳本さん」という徳の高い聖がいた。
「聖は時々、大阪御堂筋の小橋屋といふ呉服大店主の請により勝尾
寺より大阪に至る途中、上新田の徳林院に御足を休めさせられ~(徳
林院縁起より)」
その、徳林院の初代庵主は小橋屋の美しい娘さんで、庵も小橋屋の当主が
建てたものらしい。 その後、養女を迎え二代~三代と尼僧物語は続いた。
ところで、私の手元には出所がはっきりしない一枚の紙片がある。
浄土宗知恩院末。本尊は阿弥陀如来。
もとは京都市東山区の総本山知恩院の膝下にあったが、大正3(1914)
年に村の有力者により現在地に移転する。徳林院が移転する前の同
地には常光庵があった。常光庵は延宝元年(1673)に小畠与右衛門の
娘・清順がはじめて庵地を開いたことにより成る。
徳林院の入り口には天保(1830~1843)の年号の入った碑があり、そこ
には「徳本行者遺跡」と刻まれている。
"縁起" によると、徳本聖が攝津在住期(1801~1814)に徳林院は上新田にあっ
たことになるが、移転説をとれば聖が立ち寄ったのは常光庵になる。
しかも、冒頭の「頭をまるめ、灰色の着物を長身にまとった美しい方」の記事は
昭和41年5月号の新聞「千里」に掲載された今井信子さんの取材記で、三代
目庵主の高橋智称さんを紹介したものである。取材当時45~46才の庵主が、
ここの養女に入ったのが12才のときだというから昭和10(1935)年ころになる。
だとすれば二代目庵主さんの時代に、なにかがあって知恩院系の徳林院を向
かえたことになるが原因はわからない。(尼寺だけに楽しく物語を作ってみ
たいが)
縁起は、徳林院として成立後に作られているので常光庵の名を端折っている
のではなかろうか。小橋屋さんが、建てたという庵も朽ちた常光庵に手を加
えたもので名をそのまま使用し二代目庵主さんのとき庵号を変更したとも考
えられる。
徳林院は上新田の(旧)勝尾寺街道から奥に入ったところにある。
狭い参道のすぐ先に急角度の階段があって、上りつめたところに小さな館が
ある。 本堂右奥の蓮台の上に定印を組む徳本聖の坐像をお祀りし、境内に
は聖の書を刻んだ六字名号碑(蔦文字といわれる独特の南無阿弥陀仏)が
ある。
10/01 友人とともにここを訪ね、話好きの佐々木住職に死後の始末を
相談にのってもらった。
この徳林院の建立は、およそ200年前になる。
その当時、箕面の勝尾寺に「徳本さん」という徳の高い聖がいた。
「聖は時々、大阪御堂筋の小橋屋といふ呉服大店主の請により勝尾
寺より大阪に至る途中、上新田の徳林院に御足を休めさせられ~(徳
林院縁起より)」
その、徳林院の初代庵主は小橋屋の美しい娘さんで、庵も小橋屋の当主が
建てたものらしい。 その後、養女を迎え二代~三代と尼僧物語は続いた。
ところで、私の手元には出所がはっきりしない一枚の紙片がある。
浄土宗知恩院末。本尊は阿弥陀如来。
もとは京都市東山区の総本山知恩院の膝下にあったが、大正3(1914)
年に村の有力者により現在地に移転する。徳林院が移転する前の同
地には常光庵があった。常光庵は延宝元年(1673)に小畠与右衛門の
娘・清順がはじめて庵地を開いたことにより成る。
徳林院の入り口には天保(1830~1843)の年号の入った碑があり、そこ
には「徳本行者遺跡」と刻まれている。
"縁起" によると、徳本聖が攝津在住期(1801~1814)に徳林院は上新田にあっ
たことになるが、移転説をとれば聖が立ち寄ったのは常光庵になる。
しかも、冒頭の「頭をまるめ、灰色の着物を長身にまとった美しい方」の記事は
昭和41年5月号の新聞「千里」に掲載された今井信子さんの取材記で、三代
目庵主の高橋智称さんを紹介したものである。取材当時45~46才の庵主が、
ここの養女に入ったのが12才のときだというから昭和10(1935)年ころになる。
だとすれば二代目庵主さんの時代に、なにかがあって知恩院系の徳林院を向
かえたことになるが原因はわからない。(尼寺だけに楽しく物語を作ってみ
たいが)
縁起は、徳林院として成立後に作られているので常光庵の名を端折っている
のではなかろうか。小橋屋さんが、建てたという庵も朽ちた常光庵に手を加
えたもので名をそのまま使用し二代目庵主さんのとき庵号を変更したとも考
えられる。
徳林院は上新田の(旧)勝尾寺街道から奥に入ったところにある。
狭い参道のすぐ先に急角度の階段があって、上りつめたところに小さな館が
ある。 本堂右奥の蓮台の上に定印を組む徳本聖の坐像をお祀りし、境内に
は聖の書を刻んだ六字名号碑(蔦文字といわれる独特の南無阿弥陀仏)が
ある。
10/01 友人とともにここを訪ね、話好きの佐々木住職に死後の始末を
相談にのってもらった。
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